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コラム

【第16回】新築住宅:省エネ基準の必須化と税制・住宅支援策の最新動向

カテゴリ: FPによる住宅マネー情報 公開日:2024年04月18日(木)
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2024年、新築住宅市場が大きく変わります。省エネ基準適合が新たな標準となり、住宅ローン減税制度がこれを支えます。ここでは、その変更点と、家を建てる際の新しいルールについて解説します。

 

住宅ローン減税

住宅ローン減税は、無理のない負担で居住ニーズに応じた住宅を確保することを促進するため、住宅ローンを借り入れて住宅の新築・取得又は増改築等をした場合、年末のローン残高の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除する制度です。現行の住宅ローン減税は、住宅性能に応じて減税の上限額が異なるのが特徴です。

 

令和6年度の税制改正により、住宅ローン減税の制度内容にいくつかの変更がありました。主なポイントは以下の通りです。

借入限度額の維持:

子育て世帯や若者夫婦世帯が令和6年に入居する場合、令和4・5年入居の水準を維持します。具体的には、認定住宅で5,000万円、ZEH水準省エネ住宅で4,500万円、省エネ基準適合住宅で4,000万円の借入限度額です。

新築住宅の床面積要件の緩和:

新築住宅の床面積要件を40㎡以上に緩和し、建築確認の期限を令和6年12月31日まで延長します。ただし、この措置は合計所得金額1,000万円以下の年分に限られます。

省エネ基準の必須化:

2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅は、省エネ基準に適合していない場合、住宅ローン減税の対象外となります。

 

 

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※クリックすると拡大します

 

なお、住宅金融支援機構と民間金融機関が連携して提供する全期間固定金利の住宅ローン【フラット35】についても、2023年4月以後、すべての新築住宅は省エネ基準への適合が必須になりました。

 

 

新築の住宅の性能に応じて必要になる書類

必要な証明書類

認定長期優良住宅、認定低炭素住宅である場合

  • 長期優良住宅認定通知書又は低炭素住宅認定通知書の写し
  • 住宅用家屋証明書(の写し)又は認定長期優良住宅建築証明書若しくは認定低炭素住宅建築証明書

ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅である場合

  • 各基準への適合を証する建設住宅性能評価書の写し又は住宅省エネルギー性能証明書

証明書の発行

住宅省エネルギー性能証明書

住宅省エネルギー性能証明書は、登録された建築士事務所に属する一級建築士、二級建築士若しくは木造建築士、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関又は住宅瑕疵担保責任保険法人のいずれかが発行するものです。

建設住宅性能評価書

建設住宅性能評価書は、登録住宅性能評価機関が交付するものです。

認定長期優良住宅建築証明書・認定低炭素住宅建築証明書

認定長期優良住宅建築証明書・認定低炭素住宅建築証明書は、登録された建築士事務所に属する一級建築士、二級建築士若しくは木造建築士、指定確認検査機関又は登録住宅性能評価機関のいずれかが発行するものです。

 

住宅ローンを受けようとする個人で準備するというより、住宅の販売会社やハウスメーカー等に証明書の発行について相談しましょう。

 

 

住宅ローン減税の証明書とその他の支援策の証明書

省エネ住宅に対する支援策も住宅ローン減税だけではなくさまざまです。住宅性能を証明する制度もいくつかありますが、支援を受ける制度によって必要な書類が変わるので注意が必要です。

住宅金融支援機構【フラット35】と【フラット35】S

住宅ローン減税の対象となるZEC水準省エネ住宅は、一部(都市部狭小地、多雪地域等)を除き、【フラット35】S(ZEH)の対象にならないので注意が必要です。【フラット35】S(金利Aプラン)の対象になります。

 

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※クリックすると拡大します

こどもエコすまい支援事業

こどもエコすまい支援事業は、エネルギー価格高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することにより、子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資の下支えを行い、2050年のカーボンニュートラルの実現を図る事業です。

 

子育て世帯または若者夫婦世帯が、こどもエコすまい支援事業者と契約し、高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する住宅を新築する場合、1戸あたり100万円を補助する制度です。

 

交付申請に必要な高い省ネネ性能(ZEHレベル)を証明する書面として。建設住宅性能評価書のほか、BELS評価書、フラット35S適合証明書などがあります。

 

 

省エネ住宅のメリット: 家計と環境へのダブルの恩恵

省エネ住宅の建設は、家計にやさしく、地球に優しい選択です。2024年からの新基準は、電気代の節約だけでなく、快適な居住環境を提供し、長期的なコスト削減にも繋がります。また、これらの住宅は、温室効果ガスの削減に貢献し、持続可能な社会の実現へと大きく前進させるでしょう。私たちの賢い選択が、次世代にも豊かな自然と安定した生活を残すことになるでしょう。

 

(執筆:平野泰嗣)

 

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