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コラム

【第11回】住宅ローンはいくらまで借りられる?借入可能額の計算方法と注意点

カテゴリ: FPによる住宅マネー情報 公開日:2023年09月10日(日)
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住宅ローンを組むときに、気になるのが「借入可能額」です。借入可能額とは、金融機関から借りられる住宅ローンの上限額のことです。この借入可能額は、どのようにして計算されるのでしょうか?また、借入可能額を決める際に注意すべきことは何でしょうか?この記事では、住宅ローンの借入可能額について解説します。

 

借入可能額の計算方法(返済負担率)

住宅ローンの借入可能額を計算する際に、重要な指標が「返済負担率」です。返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合のことで、各金融機関によって、年収の20~40%で設定されています。返済負担率が高いほど、返済が厳しくなるということです。

 

例えば、【フラット35】の場合、

  • 年収400万円未満 :返済負担率30%以下
  • 年収400万円以上 :返済負担率35%以下

 

となっています。

 

仮に、年収500万円の人に当てはめてみると、 500万円×35%=175万円(月額14.6万円)以内に返済額が納まるよう、借入額を設定する必要があります。なお、金融機関が審査をする際は、実際の貸出金利ではなく、審査用の基準金利(3.5~4.0%)を使うことが多いので、ご注意ください。上記の例で、審査金利4%、返済期間35年を当てはめると、借入額の目安は約3,297万円となります。

 

借入可能額に影響する要因(他のローンやキャッシング)

ただし、借入可能額は返済負担率だけで決まるわけではありません。実は、他にも借入可能額に影響する要因があります。それは、「他のローンやキャッシングカード」です。

 

年間返済額の中には、住宅ローン以外の借入額(マイカーローン、教育ローンなど)も含まれます。つまり、他のローンがあるほど、住宅ローンの借入可能額は減ってしまうということです。例えば、「マイカーローンがあと1年、約40万円残っている」という場合は、住宅ローンの年間返済額が135万円以内となり、借入可能額の目安は約2,541万円となってしまいます。マイカーローンや教育ローンなどを利用している方は、現在のローン残高を確認し、完済に近いものがあれば、整理することをお勧めします。

 

また、キャッシングカードの極度額(利用限度額)も、現在利用していなくても「いつか借りるかもしれない」と判断されて、借入可能額に影響がでる場合があります。「使わないキャッシングカードは解約する」「普段使うクレジットカードにセットされているキャッシング機能は、極度額を低くする」などをお勧めします。

 

借入可能額に関する相談事例

私はファイナンシャルプランナーとして、多くの方から住宅ローンに関する相談を受けています。その中で、「私たちは、いくらまで借りられますか?」と聞かれたり、「不動産業者の方から、あなたの年収なら○○万円まで借りられるから、この物件を買っても大丈夫ですよ、と言われました。本当に大丈夫でしょうか?」といった質問をよくいただきます。

 

これらの質問に対しては、上記のように借入可能額の計算方法や注意点を説明しています。しかし、それだけでは不十分だと思っています。借入可能額はあくまで目安であり、実際には自分たちが無理なく返せる額を見極めることが必要だからです。

 

そのため、私は相談者の方々に、「あなたはどんな暮らしをしたいですか?」「将来的にどんな変化が予想されますか?」「住宅以外にどんな出費がありますか?」というような質問をしています。これらの質問に答えることで、相談者の方々は自分たちのライフプランやライフスタイルを見直すきっかけになると思います。

 

借入可能額ではなく、無理なく返せる額を意識しよう

金融機関から希望額まで借りられます、と言われるとほっとするかもしれませんが、何よりも将来にわたって無理なく返せる、ということが大切です。返済負担率を計算する際、税込年収ではなく、手取り年収をもとに試算すると、生活に無理のない借入額に近くなると思います。目先の毎月の返済額や年間返済額だけでなく、10年、20年後、返済終了時の年齢や収入の状況、住まい以外にかかる費用など、人生全体を見渡して借入額を検討するようにしましょう。

 

(執筆:平野直子)

 

LFCでは、将来のライフプランを見据えながら、適切や住宅購入予算の設定や、住宅ローンの借り方など、安心した住まい・暮らしを実現するための計画づくりと、その実行するお手伝いをしています。

 

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