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コラム

「新しい時代の働き方に関する研究会」で読み解く未来予想図

カテゴリ: コンシェルジュ通信 公開日:2023年03月20日(月)
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「新しい時代の働き方に関する研究会」の第1回会合が開催

新しい時代の働き方に関する研究会」(厚生労働省 労働基準局)の第1回目の会合が2023年3月20日に開催されました。

 

この研究会が開催される目的は、
「新型コロナウイルス感染症等の影響により生活・行動様式が変容し、働く方の働き方に対する意識、職業キャリアに関するニーズが個別・多様化している。これに加え、人口構造の変化等の経済社会の潮流、技術革新による産業構造の転換、新たな働き方の拡大等を踏まえ、これからの新しい時代の働き方を構想し、働く方の働きがいを促進していくため、組織と個人の働く関係を捉え直す時機が到来している。このため、働き方や職業キャリアに関するニーズ等を把握しつつ、新しい時代を見据えた労働基準関係法制度の課題を整理すること」
です。

 

  1. ちなみに、Microsoft Bingのチャット機能で、研究会の目的をかみ砕いて説明してもらうと、
    ・新型コロナでみんなの生活や仕事が変わった。
    ・人口や技術も変わってるから、これからどうやって仕事するか考えなきゃ。
    ・仕事が楽しくなるようにしたいけど、会社と社員はどう付き合っていけばいいかわからない。
    ・だからみんながどんな仕事したいか聞くし、法律も見直す必要がある。
    ・そのために「新しい時代の働き方」っていう勉強会をやる。
    ということです。
    こう説明してもらうと、ずいぶんわかりやすいですね。

 

この会合で具体的に検討される内容としては、
・働く方の働き方や職業キャリアに関するニーズの変容について
・企業の意識、人材の管理・活用等の変容について
・働く方の健康確保と働きがいの促進について
・デジタル技術を活用した働く方の保護について
・上記を踏まえた、法制度の基本的在り方について
とあります。

私たちの職業生活に関することなので、今後の議論に注目したいです。

 

第1回目の会合の資料に「経済社会と働き方の変化等について」という厚生労働省が作成したスライド資料がありますが、経済社会の潮流、技術革新による変化、新しい働き方の拡大、働き方への考え方など、これからの働き方を考えるのに必要な前提条件となる事柄がコンパクトにまとめられています(総ページ数は60ページで読みごたえはありますが…)。

「新しい時代の働き方に関する研究会」の資料から読み取れること

資料から読み取れることで重要なポイントを挙げると、
・人口減少によって人材不足がより深刻になる
・国際比較では、労働生産性成長率が低い
・従業員エンゲージメント(※1)が低い
・求められる人材として、経験・チームよりも、柔軟な発想と特定分野の専門スキル
・人材の活用として、女性・障がい者に加えて、高齢者活用が課題となりそう
・スキル別(※2)の就業者割合で、低スキルと高スキルが増加する一方、中スキルは減少
・AI等による新技術によって上記の就業割合の変化は加速化
・非正規社員よりも正規社員の方が副業を望むが、制度が整備されていない
・副業の動機の一番は、収入補填要因。約半数は自己実現やスキルアップ等のポジティブ要因となっている
・若年層(20代)は、時間・場所ともに自由な働き方を志向している

 となります。 

新しい時代の働き方の未来予想図

 

日本の労働生産性が低いことは、すでに言われていることですが、低ければ伸びしろがあるはずなのに、成長率も低いのは深刻な問題と言えます。AIの活用や製造委託を含めたアウトソーシングが解決の方向性となるでしょう。

 

人手不足に関しては、高齢者人材の活用。70歳までの就業確保の努力義務が法制化されましたが、この傾向は、ますます強まるのではないかと思います。

 

また、就業規則のひな形で副業に禁止規定が削除されるなど、副業を解禁する動きが少しずつ進んでいますが、働き方の多様化・ICT技術の進展による副業人材の活用が、法整備により、今後さらに進むことが期待されます。

 

厚労省の資料を見ていて、気になったことは、雇用者が働く中で今後伸ばしたいスキルについて、特にないと回答した人の割合は41.8%と高い割合を占めていることです。これは、従業員エンゲージメントが低いことが要因かもしれませんが、その結果として、労働生産性成長率が低いという結果に繋がっているようにも思います。

 

主体的な人生(その人らしい人生)を送ること、そのためにどのように自身のキャリアを磨いていくのかという、キャリアオーナシップ(※3)の考えが浸透していく必要があるように思いました。また、職業キャリアを考える上で、ライフキャリアを切り離すことはできません。働きながら収入を得て、人生を歩んでいく中で、将来のライフプラン、キャッシュフローという視点も欠かせません。

 

LFCでは、Life Planning、Financial Planning、Career Planningという「3つのプランニン」の視点で、その人らしい幸せな人生の実現をサポートしていきたいと思います。

 

さて、「新しい時代の働き方に関する研究会」は、本日キックオフしたばかりです。今後の議論に注目していきたいと思います。

 

(※1)従業員エンゲージメント:従業員の仕事や職場への関与・熱中の度合いで、「会社の使命又は目的により、自分の仕事は重要だと思う」等の12個の質問を元にGALLUPが算出)
(※2)高スキル:管理職、専門職、技師・準専門職、中スキル:事務補助員、技能工及び関連職業の従事者、設備・機械の運転・組立工、低スキル:サービス・販売従事者、単純作業の従事者

(※3)キャリアオーナーシップ:「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」報告書(経済産業省、2018年)では、「個人一人ひとりが『自らのキャリアはどうありたいか、如何に自己実現したいか』を意識し、納得のいくキャリアを築くための行動をとっていくこと」と説明している。

 

LFCの考え方

 

(執筆:ファイナンシャルプランナー、キャリアコンサルタント 平野泰嗣)

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