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コラム

アフターコロナの家計、意図的戦略から創発的戦略へ

カテゴリ: コンシェルジュ通信 公開日:2021年01月01日(金)
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謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 

 昨年(2020年)は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、経済活動の自粛により、企業業績や個人消費が大きく落ち込みました。

 

 進学や就職、結婚、出産、転居、予定していた旅行など、ご自身・ご家族のライフプランに大きな影響を受けた方もいらっしゃることでしょう。一方で、テレワークやキャッシュレス決済など、新しい生活様式が急速に進んだ1年であったように感じます。

 

 私(平野泰嗣)は、大学で、企業経営の科目を担当していることもあり、最近は、経営関係の書籍を読む機会が増えています。経営分野では、よく戦略という言葉が使われます。経営戦略とは、「企業が競争環境の中で、持続的に発展していくための方針や戦略」と定義されています。

 

 従来型の戦略論では、戦略をあらかじめ設定された目標と現状とのギャップを埋めるための具体的な打ち手と捉えます。従って、戦略策定には明確な目標の設定が必要です。家計に置き換えると、目指す人生を描き、実行計画としてライフプランに落とし込むことに似ています。このように十分に検討し、策定された戦略を意図的戦略と呼びます。

 

 最近は、意図的戦略に対し、創発的戦略が注目されています。創発的戦略では、当初想定していなかった環境変化に柔軟に対応し、計画していた戦略を変化させながら環境に適応した戦略行動をとります。環境変化を敏感に捉え、分析した上で目標達成のために、随時修正の意思決定を行います。

 

 ライフプランを作成しても、「計画通り行かないので意味がない」と考える方もいらっしゃいます。それは、私たちが、「計画通りに物事を進めることが正しい」という考え方に、長年習慣づけられているからです。実際には計画通りに進むことの方が少ないので、「計画は意味がない」と考えるようになるのでしょう。

 

 著名な経営学者のミンツバーグは、「戦略とは計画的に策定されると同時に創発的に形成されなければならない」と述べています。家計に置き換えると、意図的戦略をベースとしたライフプランを持ちつつ、環境変化に合わせた創発的戦略(ライフプランの修正)をしていきます。

 

 経営学の小難しい理論も、私たちの家計に置き換えると、当たり前のことと捉えることができます。先の読めない世の中だからこそ、創発的戦略のベースとなるライフプランを持つことの重要性が増していると思います。LFCでは、環境変化に柔軟に対応し、お客様のライフプランを実現するためのお手伝いをさせていただきます。

※ニューズレター「暮らしと資産のコンシェルジュ通信・2021年新春号」巻頭コラムより

 

暮らしと資産のコンシェルジュ通信(2021年新春号)の紹介

 

令和3年(2021年)1月1日

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ファイナンシャル・プランナー
平野 泰嗣 平野 直子

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