「制度リテラシー」が拓く、新しい働き方と暮らし方
残暑お見舞い申し上げます。
2025年は、暮らしのかたちが変わりはじめる重要な転換期です。新年から続く制度改正の流れは、夏を迎えた今もなお、私たちの生活にさまざまな影響をもたらしています。特に、働き方や家計管理の面で「自分に合った選択ができる」時代が少しずつ広がってきました。
たとえば、今年の税制改正では、基礎控除と給与所得控除の最低保障額が引き上げられ、非課税となる年収の目安も「103万円の壁」から「160万円の壁」へと大きく変わりました。これにより、パートタイムや短時間勤務で働く人々の手取りが改善され、家庭の状況に合わせた柔軟な働き方を選びやすくなっています。
また、6月には年金制度の改正法が成立し、社会保険の加入条件が見直されました。これまで「106万円の壁」などの制限があったパート・アルバイトの方も、週20時間以上働けば厚生年金に加入できる仕組みに変わっていきます。加えて、iDeCoの加入年齢が69歳までに延長されるなど、老後資産の形成を支援する制度も広がりを見せています。
こうした制度の変化は、一人ひとりの「暮らし方」や「将来の描き方」に新しい選択肢をもたらしてくれます。しかしその一方で、税金や社会保険、年金制度といった仕組みはますます複雑になり、どこから手をつけてよいかわからないという声も多く聞かれます。
このような時代だからこそ、制度を「知って、選んで、活かす力」――制度リテラシーが、これまで以上に大切になっています。自分にとって必要な制度はどれか、どのタイミングで活用すればよいのか。ライフステージや家族構成、将来の希望に応じて、じっくり考えることが求められています。
LFCでは、制度の変化が暮らしにどのように影響するかをわかりやすくお伝えしながら、それぞれの方に合ったライフプランの立て直しや資産設計のお手伝いをしています。働き方や老後の備えに不安を感じている方も、まずは小さな見直しから始めてみませんか。
この夏、自分らしい暮らし方を制度の力で支えるために。LFCは、皆さまの人生設計のパートナーとして、引き続き全力でサポートしてまいります。
※ニューズレター「暮らしと資産のコンシェルジュ通信・2025年真夏号」巻頭コラムより
令和7年(2025年)8月7日
FPオフィス Life & Financial Clinic
ファイナンシャル・プランナー
平野 泰嗣 平野 直子