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コラム

2019年10月、【フラット35】制度改正の解説、「融資率」に注意!

カテゴリ: コンシェルジュ通信 公開日:2019年10月05日(土)
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【フラット35】は、住宅金融支援機構の証券化支援事業をもとに、取り扱い先の民間金融機関と共同で提供する長期固定金利の住宅ローン商品の名称です。今回は、2019年10月より、フラット35の制度が改正されましたので、改正内容を解説します。

【フラット35】(買取型)の融資率9割超の金利を引下げ

フラット35(買取型)では、住宅の建築費または住宅の購入費に対するフラット35の借入金額の割合(これを融資率といいます)は、9割超の場合と9割以下の場合で金利が異なっています。

例)住宅の購入価格5000万円として、住宅ローンを4600万円のとき、融資率は、92%となります。

 

制度改正前は、融資率9割超の金利は、融資率9割以下の金利に年0.44%上乗せした金利になっていました。これが、今回の改正によって、上乗せ金利が0.26%に引き下げられました。

 

仮に融資率9割以下の場合のフラット35の金利を1.3%とした場合、9割超の金利は、改正前は、1.74%、改正後1.56%となります。

 

フラット35で3000万円を35年間で借りる場合(上記の金利)の毎月返済額と総返済額は以下の通しです。
・融資率9割以下      毎月返済88,944円、総返済額3756万円
・融資率9割超(改正前)  毎月返済95,422円、総返済額4008万円
・融資率9割超(改正後)  毎月返済92,739円、総返済額3895万円

 

今回の改正で、融資率9割超の上乗せ金利が引き下げによって、上記の例で、毎月の返済額で2683円、総返済額で約113万円軽減されたことになります。そうはいっても、融資率9割以下の場合は、もっと優遇されているので、頭金はできるだけ多くした方が良いと言えます。

 

【フラット35】(保証型)を取り扱う金融機関では、融資率を8割以下、7割以下の場合、さらに金利が低く設定されているプランもあるので、自己資金の準備の仕方によって、適用される金利が大きく変わります。

融資率の計算についての留意点

一般的に、融資率は、住宅の建築費または住宅の購入費に対するフラット35の借入金額の割合と説明されています。さらに、住宅の建築費・購入価格は、以下のように説明されています。(住宅金融支援機構HPより)


・「住宅の建設費」とは、お借入れの対象となる住宅の建設に要する費用で、請負契約書に記載された請負金額をいいます。また、住宅の建設と併せて購入した土地がある場合は、土地の取得に要した売買金額(借地権を取得するための費用を含みます。)と請負金額との合計額をいいます。
・「住宅の購入費」とは、お借入れの対象となる住宅の売買に要する費用で、売買契約書に記載された売買金額をいいます。また、住宅の購入に付随して新たに土地または借地権を取得するための費用を含みます。

 

一般的な認識は、上記の通りだと思いますが、一定の費用(融資手数料、仲介手数料など)については、前述の請負金額および売買金額に含まれない場合であっても、一定の確認書類により金額が確認できる場合は借入対象となります。
※一定の費用は、住宅金融支援機構のHPに記載されています。【詳細情報】(外部サイト)

不動産業者や、ハウスメーカーが作成した、資金計画表をお客様から見せていただくことがあるのですが、融資率を計算する住宅の建築費・購入価格の誤った認識から、確認資料を提出すれば、融資率9割以下が適用されるのに、9割超の金利で計算されているケースが意外に多く見かけます。

その他の改正内容

・建設費・購入価額の上限1億円の制限を撤廃
現在、借入対象となる住宅の建設費または購入価額の上限を1億円としていますが、この制限がなくなります。これによって、流行りのタワマンなどの億ション購入の際に【フラット35】の利用がしやすくなりました。

 

・中古住宅の「適合証明書」の取得を省略できる物件を拡大
【フラット35】をご利用する場合で、一定の要件を満たした中古住宅であるときは「適合証明書」の取得および提出を省略することができますが、この対象となる物件を拡大しました。中古の戸建て住宅では、前の所有者がフラット35を利用した場合【安心R住宅】、中古マンションでは、適用住宅を検索できるシステムがあります。

 

・長期優良住宅の取得に利用できる【フラット50】の融資率上限などを引上げ
(1) 融資率の上限を6割から9割に引き上げ
(2) 融資限度額を6,000万円から8,000万円に引き上げ
なお、【フラット50】は、【フラット20】【フラット35】と併用することができます。その結果、フルローンとすることも可能です。【詳細情報

 

・【フラット35】地域活性化型の対象事業を拡充
【フラット35】地域活性化型に「防災対策」および「地方移住支援」が新設。詳細情報】(外部サイト)

おわりに

【フラット35】を利用する場合は、自己資金割合(融資率)や利用される方の状況によって、金利が変わり、返済額に影響するので、資金計画については、住宅ローンに強いファイナンシャルプランナーとして、LFCへの相談をお勧めします。

LFCの住宅購入資金相談

 

(執筆:ファイナンシャルプランナー 平野泰嗣)

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