メニュー

コラム

2026年4月、家計と暮らしはこう変わる|知っておきたい制度改正8選

カテゴリ: FP夫婦のふたり言 公開日:2026年03月12日(木)
このエントリーをはてなブックマークに追加

fpcpl 57a

 

2026年4月は、私たちの生活や家計に関わる制度改正がいくつか予定されています。社会保険、働き方、資産形成、そして暮らしのルールまで、分野はさまざまです。

 

制度改正というと、ニュースでは個別に取り上げられることが多く、全体像が見えにくいものです。しかし、家計管理の視点で見ると、こうした制度の変化は決して無関係ではありません。

 

本記事では、2026年4月から始まる制度改正の中から、生活者に関係の深いものを8つ取り上げ、そのポイントと家計への影響を整理します。

 

 

1. 子育て支援の財源となる「子ども・子育て支援金制度」

2026年4月から、新たに「子ども・子育て支援金制度」が始まります。

 

これは少子化対策の財源を確保するための制度で、医療保険料に上乗せする形で徴収されます。

 

対象は、会社員が加入する健康保険だけでなく、国民健康保険や共済組合など、すべての医療保険加入者です。

 

子ども・子育て支援金は加入する医療保険制度ごとに保険料が決められ、2026年(令和8年)4月分から負担することになっています。令和8年度は、加入者1人あたり約350円、加入する制度ごとに以下のようになっています。

 

  • 健保組合 月約550円(被保険者1人当たり)
  • 国民健保 月約300円(一世帯当たり)
  • 後期医療 月約200円(被保険者1人当たり)

 

実際の負担額は加入している保険制度や所得によって異なりますが、家計にとっては新しい社会保険料が加わるイメージになります。

 

【参考】子ども・子育て支援金制度について(こども家庭庁HP)

 

 

2. 「こども誰でも通園制度」の本格実施

同じく子育て支援策として、2026年度からこども誰でも通園制度(乳児等通園支援事業)が本格的に実施されます。

 

これまで保育サービスは、保護者の就労など一定の条件がある家庭が中心でした。しかしこの制度では、就労要件に関係なく、保育施設などで子どもを預けることが可能になります。

 

対象は主に0〜2歳の乳幼児で、一定時間まで利用できる仕組みです。

 

例えば

 

  • 短時間の仕事
  • 通院
  • 家事や休息
  • 子育ての負担軽減

 

など、さまざまな場面で活用できる制度として期待されています。子育て世帯にとっては、生活の柔軟性を高める支援制度といえるでしょう。

 

【参考】こども誰でも通園制度について(こども家庭庁HP)

 

 

3. 被扶養者認定の収入判定の見直し

2026年4月から、健康保険の被扶養者認定の収入判定の取扱いが見直されます。

 

いわゆる「年収の壁」と呼ばれる問題の一つが、社会保険の扶養条件です。従来は年間収入130万円未満という基準があり、この水準を超えると扶養から外れる可能性がありました。

 

今回の見直しでは、パートやアルバイトの収入が一時的に増えた場合でも、すぐに扶養から外れると判断されないよう、より実態に即した判断が行われる方向になります。

 

背景には、人手不足の中で

 

  • シフトを増やせない
  • 働き控えが起きる

 

といった課題があります。

 

今回の見直しは年収の壁問題を完全に解決するものではありませんが、働き方の柔軟性を高める一歩といえるでしょう。

 

【参考】労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定 における年間収入の取扱いに係るQ&Aについて(厚生労働省HP)

 

 

4. 在職老齢年金の支給停止基準の引き上げ

高齢者の働き方に関係する制度として、在職老齢年金の支給停止基準も見直されます。

 

2026年4月から、年金の支給停止が始まる基準額が

 

62万円 → 65万円

 

に引き上げられます。

 

これは、給与と年金の合計額が65万円までは減額されないという意味です。

 

人生100年時代といわれる中で、年金を受け取りながら働く人は今後さらに増えていくと考えられています。今回の見直しは、高齢者の就労を後押しする政策の一つといえます。

 

【参考】もっと働きたい!に応えて、在職老齢年金制度の基準額が2026年4月から引上げに(政府広報オンライン)

 

 

5. 雇用保険料率の引き下げ

2026年度は、雇用保険料率の引き下げも予定されています。

 

厚生労働省は、労働政策審議会雇用保険部会において、雇用保険料率を1.35%(2025年度:1.45%)に引き下げる方針を示しています。これは全体で0.1%の引き下げとなります。

 

この改定により、雇用保険料の内訳は次のようになる見込みです。

 

  • 使用者負担 0.85%
  • 労働者負担 0.5%

 

会社員等(労働者)が負担する雇用保険料率(一般の事業)は、2025年度の0.55%から0.5%へ引き下げとなる予定です。

 

例えば、年収500万円の会社員の場合、年間で数千円程度の負担減になると考えられます。大きな金額ではありませんが、給与所得者にとっては可処分所得がわずかに増える制度改正といえるでしょう。

 

【参考】令和8年度雇用保険料率関係国事案 関係資料(職業安定分科会)

 

 

6. 企業型DCの拠出ルールの緩和

資産形成に関する制度として、企業型確定拠出年金(企業型DC)のルールも見直されます。

 

これまで企業型DCでは、加入者が追加で拠出する「マッチング拠出」において、

 

加入者掛金 ≤ 事業主掛金

 

という制限がありました。

 

制度改正では、この上限要件が撤廃される予定です。

 

確定拠出年金は掛金が全額所得控除になるため、所得税や住民税の節税効果があります。今回の改正により、企業型DCはこれまで以上に老後資産形成の重要な制度になる可能性があります。

 

【参考】2025年の制度改正(厚生労働省HP)

 

 

7. 自転車の交通違反に「青切符制度」

暮らしのルールとして注目されているのが、自転車の交通違反に対する青切符制度(反則金制度)です。

 

自転車事故の増加を背景に、交通違反に対する取り締まりが強化される方向となっています。

 

対象となる違反としては、

 

  • 信号無視
  • 一時停止違反
  • スマートフォンを見ながらの運転
  • イヤホン使用
  • 歩道での危険走行

 

などが想定されています。

 

違反内容によっては数千円から1万円程度の反則金が科される可能性があります。通勤や通学で自転車を利用する家庭では、これまで以上に交通ルールへの意識が求められるでしょう。

 

【参考】道路交通法の改正について(青切符についても含む)(警視庁HP)

 

 

8. 不動産登記の住所変更登記の義務化

もう一つ、生活者に影響する制度として不動産登記の住所変更登記の義務化があります。

 

不動産を所有している人が、

 

  • 引っ越し
  • 結婚による氏名変更

 

などで住所や氏名が変わった場合、変更から2年以内に登記申請を行う必要があります。

 

これを怠った場合、5万円以下の過料が科される可能性があります。

 

住所変更登記には登録免許税(1件1,000円:土地・建物で2,000円)がかかり、司法書士に依頼すると費用が発生することもあります。マイホームを所有している家庭では、引越しの際に忘れないよう注意が必要です。

 

【参考】住所等変更登記の義務化特設ページ(法務省HP)

 

 

制度改正を家計・暮らしの視点で考える

fpcpl 57b

 

2026年4月の制度改正を整理すると、次の三つの流れが見えてきます。

 

一つ目は、少子化対策としての社会保障制度の再設計です。子ども・子育て支援金制度や通園制度は、その代表的な政策です。

 

二つ目は、労働力不足への対応です。扶養制度の見直しや在職老齢年金の緩和には、働く人を増やすという政策意図があります。

 

三つ目は、個人の資産形成を後押しする制度です。企業型DCの見直しは、長期的な資産形成を支える仕組みとして位置づけられています。

 

制度改正は、短期的には負担増に見えるものもあります。しかし長期的には、社会の変化に対応するための仕組みでもあります。

 

家計管理において大切なのは、制度の変化を知り、それが自分の生活やライフプランにどう影響するのかを考えることです。制度は毎年少しずつ変わります。その変化を理解することが、将来の安心につながります。

 

(執筆:ファイナンシャルプランナー 平野泰嗣)

  

LFCのトライアル相談(初回FP相談)

 

夫婦FPが親身になってサポートいたします。お気軽にお申込・お問合せください。

Copyright©FPオフィス Life & Financial ClinicAll Rights Reserved. login