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コラム

2020年税制改正、一層、複雑になるNISA(ニーサ)制度

カテゴリ: コンシェルジュ通信 公開日:2020年01月20日(月)
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 昨年12月20日に令和2年度税制改正大綱が閣議決定されました。老後に備えた資産形成を後押しするため、少額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」の見直し・延長が大きな柱の1つです。

NISA(ニーサ)制度改正の主な内容

①つみたてNISAを5年延長する。(2023 年中の開始まで 20 年の積立期間を確保)
②一般NISAは、一階で積立投資を行っている場合には二階で別枠の非課税投資を可能とする二階建ての制度に見直した上で、5年延長する。
③ジュニアNISAは、2023 年末で終了する。

 

●つみたてNISA
つみたてNISAは、2018年に創設され、2018年から2037年までの20年間、毎年40万円、最大800万円の非課税積立ができる制度です。投資対象は、一定の条件を満たす投資信託です。開始時期が遅くなるほど、積立期間が短くなるため、2023年までは、最大20年間の積立ができるように制度を延長したものです。


●一般NISA
一方、一般NISAは、2014年に創設され、新規投資額で毎年120万円(投資可能期間は2023年まで)、非課税投資枠は最大600万円となる制度です。投資対象は、株式・投資信託等です。2024年以降は、制度を見直した上で、5年間延長されます。大綱を何度読み返しても理解しにくいのですが、年間20万円を上限とした累積投資(一階部分)を行っている場合に、年間102万円を上限とする非課税枠(二階部分)が設定されるというものです。現行のNISAを利用している場合は、累積投資を行わなくても、年間102万円の非課税枠は利用できるようです。

 

新NISA制度のイメージ図

 

各種メディアで、積立投資部分は、低リスクの積立とか、安定運用という表現がされているようですが、大綱を読み解くと、積立投資の非課税に関する記載で、対象となるのは、株式投資信託(その受益権が金融商品取引所に上場等がされているもの又はその設定に係る受益権の募集が一定の公募により行われたものに限る。以下「公募等株式投資信託」という。) とされているので、決して、低リスクであったり安定運用と言えるものではありません。なお、102万円の非課税枠は、現行の一般NISAと同様、株式も対象になっています。

 

2023年の一般NISAの終了までに株式が一気に売却され暴落が懸念されていましたが、今回の延長によって回避されたと言えます。資産形成のための積立投資を推し進めたいという意向が強く表れていると理解できるのですが、制度が複雑になると利用者が利用しにくくなってしまいます。恒常的な制度になることを期待しますが、従来の一般NISA、つみたてNISA選択制とした方が、分かりやすいのではないかと思います。

 

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(執筆:ファイナンシャルプランナー 平野泰嗣)

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