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介護で困らないために〜押さえておきたい介護のポイント(第7回)

介護にかかるお金と公的介護保険

介護にかかるお金はどれくらい?

  2000年に公的介護保険制度ができたおかげで、要介護者は自己負担1割で、公的介護サービスを受けられるようになりました。けれども、1ヶ月に利用できる額には上限があり、それ以上のサービスを希望する場合は全額自己負担となります。いつまで介護が続くのか、どれくらい費用がかかるのかといった不安を持つ方も多いでしょう。

 

  介護にかかる費用は、要介護度や家族との同居状態、施設やサービスの利用状況によってさまざまですが、厚生労働省の統計によると、公的介護保険サービスを利用した人が、実際に支払った1月あたりの金額は、下表のようになっています。例えば、全体の月平均は約1万8千円ですが、要介護度5の人の平均は、約2万8千円と、1万円多くなっています。また、居宅サービスよりも施設サービスの方が、1万円以上多くかかることが分かります。

 

1人当たり介護サービス自己負担額

 

 これだけで済めばいいのですが、食費の自己負担分や介護保険以外の介護サービス代、おむつ代や医療費などは、公的介護保険の対象とはなりません。厚生労働省が2010年に行った「仕事と介護の両立に関する実態把握のための調査」によると、1ヶ月あたりの平均介護費用・平均医療費は、約5万7千円とのこと。公的介護保険で実際に支払った額(全体平均約1万8千円)を差し引くと、自己負担分以外に4万円近く支払っていることになり、自己負担分が意外と多いことが分かります。

 

介護に備えたい金額はどれくらい?

 皆さんは、介護に備えるために、どれくらい資金があると安心だと思われますか? 生命保険文化センターの調査によると、「公的介護保険以外にかかる費用として、あると安心な費用」について、要介護状態となった場合に必要な初期費用は、平均308万円でした。この中には、介護用ベッドや車いすの導入費用、バリアフリー改修費用などが含まれます。介護施設に入居する場合は、入居金を支払う必要があるためでしょうか、500万円以上と考える人も、20%近くいます。

 

要介護状態となった場合の必要資金(初期費用)の分布

 

 一方、毎月かかる費用としては、平均18万円必要だと考えられています。前出の自己負担分以外に、福祉用具や家事代行等のサービス利用料、介護食や消耗品、交通費、趣味の費用などを考えると、このくらいあると安心と思われるのでしょう。介護付き有料老人ホームなどに入居する場合、月額利用料が15万〜20万円前後かかると言われていますので、その分を含めて考える人もいるようです。

 

要介護状態となった場合の必要資金(月々の費用)の分布

 

■介護をする期間と総費用

 実際に介護経験がある人(現在介護中の方も含む)に、介護を行った期間について聞いたところ、平均4年7ヶ月という結果でした。介護期間も年々延びる傾向があり、4年以上介護をした人の割合は4割以上、10年以上という方も1割以上います。仮に、初期費用300万円、毎月かかる費用18万円、介護期間を5年とすると、介護期間の総費用は、300+(18×12×5)=1,380万円となります。

 

公的社会保険を上手に活用しよう

 月々の負担額が思ったより少なかったとしても、長い期間負担し続けると意外と侮れません。こうした費用負担を少しでも軽減させるため、公的な社会保険で援助を受けられるようになっていますので、主な制度を紹介します。

 

●高額療養費

 1ヶ月の医療費の自己負担額が、所得によって決められた自己負担限度額を超えた場合、手続きをすると、超過分を払い戻してもらえる。同じ健康保険に加入していれば、世帯合算も可能。入院時の食費や差額ベッド代は対象外。

 

●高額介護サービス費

 1ヶ月の在宅・施設サービスにかかる利用者負担額が、所得によって決められた自己負担限度額を超えた場合、手続きをすると、超過分を払い戻してもらえる(表4)。

 

●高額医療・高額介護合算制度

 月々の医療費や介護保険の自己負担額が、高額療養費や高額介護サービス費の範囲内だとしても、1年間(8月〜翌年7月)の合計が限度額を超えた場合に、超過分を払い戻してもらえる。

 

高額介護サービス費

 

 このほか、1年間(1月〜12月)の医療費が10万円を超えた場合、翌年に確定申告をすることで、税金の還付を受けることができる医療費控除でも、対象となる介護費用があります。「大した金額でないから」「対象外の費用だと思うから」と思い込まずに、領収書は保管をしておくことをお勧めします。対象が医療費なのか介護費用なのか、一般的に分かりにくい面もありますので、市区町村の国民健康保険窓口や介護保険窓口などに、確認をされるのもよいでしょう。

 

■元気なうちから費用についても話し合いを

 いつ、どのような介護が必要になるか、予測することは難しいですが、老後資金の一部として、介護費用を準備することは大切です。けれども、いくらかけるか、といった視点で予算を決めることも必要です。また、一般的に介護費用は、基本的には要介護者が負担をし、足りない分は子どもなど介護をする人たちが、話し合って分担すると良い、と言われていますが、離れて暮らす兄弟がいるなど、なかなか話し合う機会がとれない方も増えています。家族で集まる機会に、介護関連のニュースなどをきっかけにして、将来の介護費用についても話し合えるといいですね。

 

【お勧めサイト】

国税庁HP タックスアンサー「医療費を支払ったとき」

医療費控除の対象となる入院費用の具体例や、居宅・施設サービスの対価を調べることができます。

 

 LFCでは、介護される側、介護する側の両方の視点で、ライフプランとマネープランを考えながら、介護を含めた安心したセカンドライフづくりのお手伝いと、その計画を実行するお手伝いをしています。

【参考:LFCのライフプラン総合診断

 

第6回:民間会社の介護サービスと便利家電を活用する】   【第8回:介護にかかるお金の準備の仕方

 

※本コラムは、警視庁機関紙「自警」(平成24年4月号)に寄稿したものを一部加筆・修正したものです。

 

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