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コラム

【第12回】住宅購入にかかる諸費用と自己資金の見積もり方

カテゴリ: FPによる住宅マネー情報 公開日:2023年10月10日(火)
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住宅購入の資金計画を立てる際に、土地や建物などの購入物件のいわゆる本体価格のほかに、諸費用と呼ばれる本体価格以外にかかる費用をある程度事前に見積もっておく必要があります。また、支払うタイミングなども事前に知っておくと、イザというときに慌てなくてすみます。そこで、今回は、住宅購入にかかる諸費用について解説します。

 

住宅ローンの頭金と自己資金・諸費用の関係

住宅購入のご相談にいらした方の資金計画を伺っていると、自己資金と頭金を混同されている方が意外と多いです。例えば、4000万円の新築物件(本体価格)を購入して、頭金を2割用意して、残りを住宅ローンで借りる場合は、頭金800万円、住宅ローンは3200万円になります。さて、4000万円の新築物件を購入する場合、不動産会社に支払う仲介手数料や住宅ローンを組む際にかかる手数料など、本体価格以外にも費用が必要です。これらを総称して、諸費用と呼んでいます。自己資金とは、諸費用と頭金を合わせた金額をいいます。自己資金=頭金と考えていると、住宅ローンを組む際に、頭金の割合が少なくなって、希望の住宅ローンが使えなかったり、金利の面で不利になったりすることもあります。諸経費をしっかり把握することが、住宅購入の資金計画を立てる上で重要です。

 

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住宅購入にかかる諸費用

一般的に諸費用は、新築物件の場合、物件価格の5~7%、中古物件の場合、物件価格の7~10%程度といわれています。物件購入の契約をした時から入居までにかかる費用をまとめてみました。

契約前にかかる費用

物件探しをしている際に、そろそろ物件を決めようかと決心した頃に、不動産の営業マンから、「申込金が必要になります」とか、「手付金を払ってください」といわれることがあります。申込金は、正確には「申し込み証拠金」といいます。売買契約を結ぶ前に渡すお金で、買い主の順位保全や購入の意思確認を目的とするお金です。そして、契約が成立したときは手付金の一部に充当され、不成立のときはその時点で返金されるお金です。

 

一方、手付金は、売買契約の締結時に支払われるお金のことで、残代金支払い時に売買代金の一部として充当されます。手付金を支払って、契約が成立している状態なので、契約を止めたいというときは、手付金を放棄する必要があります。

 

申込金も手付金も物件購入費に充当されるので、諸費用として見込む必要はありませんが、とのような性質のお金かは、知っておく必要があります。

 

【かかるお金】申込金(予約金)、手付金

契約から決済までにかかる費用

不動産売買契約や建築請負契約を結ぶ際にかかる諸費用としては、契約書に添付する印紙税があります。印紙税は、契約代金によって決まります。また、戸建て住宅や土地を購入する場合は、不動産仲介手数料が必要になります。分譲マンションなど、不動産会社が直接、売主となる場合は、仲介手数料は不要です。また、注文住宅を建てる場合などは、建築請負契約を結びますが、建築請負は不動産の売買に該当しないので、不動産仲介手数料はかかりません。

 

【かかるお金】印紙税、不動産仲介手数料(契約前)、適合証明書交付手数料(フラット35を利用する場合)

物件の引渡し、決済時にかかる費用

物件の引渡の時期には、登記に関連する費用や住宅ローンに関する費用などが同時にかかります。登記に関する費用は、登録免許税などの法定費用のほか、司法書士に支払う手数料があります。また、住宅ローンを組む場合に、事務手数料や抵当権設定費用などが必要になります。物件の引渡しと同時に、所有権の移転登記や、住宅ローンの実行が行われるので、一度に多額の諸費用が必要になります。事前にどのくらいになるのか不動産会社及び銀行に見積もってもらうと安心です。

 

【かかるお金】登録免許税(土地・建物・抵当権設定)、司法書士報酬、マンション修繕積立金一時金、固定資産税等精算金、不動産仲介手数料(決済時)、融資事務手数料、保証料、団体信用生命保険料、火災保険料 

引渡し後にかかる費用

物件を引き渡した後も以外に出費があります。引越し費用や家具購入など新居での居住準備にかかる費用です。節約して前の家で使っていたものをそのまま使用しようと思っていても、いざ引っ越してみると、サイズや色合いが合わなくて、結局、新しいものを買いたくなるなど、予定外の出費が発生します。また、固定資産税のほか、マンションの場合は、マンション管理費や修繕積立金など、継続的に発生する費用もあります。

 

【かかるお金】引越し費用、家具購入費用、不動産取得税、マンション管理費・修繕積立金、固定資産税

 

まとめ:

物件選びをしている際は、物件の購入価格だけに目がいってしまいますが、諸費用も想定した上で、予算を決めて物件を探すと、後で失敗しなくてすみます。頭金ゼロや、諸費用のローンもありますが、金利の面で不利になることが多いです。無理して購入すると、結局、余計な利息を払うことになり、住宅購入にかかるコストもより大きくなるのが実際です。

 

(執筆:平野泰嗣)

 

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