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コラム

「同時代性の罠(わな)」にハマらない家計運営を!

カテゴリ: コンシェルジュ通信 公開日:2022年01月01日(土)
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謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 

2020年の年初に新型コロナウイルス感染のニュースで緊張が走ってから早2年が経過しました。昨年も緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に翻弄された年でした。

 

最近、気になるワードとして「同時代性」があります。同時代性とは、Contemporaneityの訳語で、同時期に所属することの特性、現行していること、あるいは現在であることの特性を表します。その意味では、私たちは、「コロナ禍」という共通した時代に生きていると言えます。

一橋ビジネススクールの楠木建教授が書かれた「逆・タイムマシン経営論」の中で、「同時代性の罠」という興味深いメカニズムを解説しています。罠=トラップには3つあり、「飛び道具トラップ」、「激動期トラップ」「遠近歪曲トラップ」です。

 

「飛び道具トラップ」は、DXとかサブスクリプションモデルなど、ビッグワードがあたかも万能のように感じられ、あまり考えずに飛びついてしまうことです。

「激動期トラップ」は、同時代の人々は、時代の変化を常に過剰にとらえる傾向にあるということです。コロナ禍で生活環境は大きく変わりました。けれども、20年間の生活環境の変化とコロナ禍2年の変化を比較した場合、20年間の変化の方が大きいのではないかと思います。

「遠近歪曲トラップ」は、近いものは粗が目立つけれども、遠いものは良く見える、いわゆる「隣の芝は青い」というバイアスがかかりやすいということです。書籍は経営書なので、リーダーは、近視眼的な「同時代性の罠」から逃れることの重要性を説いています。

 

「経営」を「家計=家庭経営」に置き換えて考えてみると、意外と共通点が見えてきます。つまり、(1)家計を劇的に改善しそうな手法や考え方が表れても万能ではない、家庭内での努力を伴う行動が必要であること、(2)家計に大きな変化があっても、乗り越えられると信じて冷静に行動すること、(3)他人や周りを基準にするのではなく、自分と家族にとって何が重要かを考えて行動すること、この3点が大切なのではないかと思いました。

「人生100年時代」「コロナ禍」は、同時代性を象徴するワードですが、その意味することは、一人ひとり異なっています。そのことを再認識しながらお客様へのご支援をしていきたいと改めて思いました。

 

本年もよろしくお願い申し上げます。

 

※ニューズレター「暮らしと資産のコンシェルジュ通信・2022年新春号」巻頭コラムより

 

暮らしと資産のコンシェルジュ通信(2022年新春号)の紹介

 

令和4年(2022年)1月1日

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ファイナンシャル・プランナー
平野 泰嗣 平野 直子

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