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介護で困らないために〜押さえておきたい介護のポイント(第11回)

介護が必要な人の資産などを守る

高齢者の資産が狙われている

 振り込め詐欺やリフォーム詐欺、介護者による虐待など、高齢者をめぐる事件が後を絶ちません。「まだまだ元気で判断能力もある」と思っていても、巧妙なしくみに騙されてしまう高齢者も多くいます。特に、認知症などで判断能力が衰えている方は、一般の通信販売などでも次々に不要な商品を購入してしまったり、複雑な金融商品を申し込んでトラブルになるケースもあります。今回は、介護を要する人の資産を守る方法についてご紹介します。

 

 国民生活センターが、2010年に全国の消費生活センター等で受けた相談内容は、(表1)のとおりです。特に60歳代以降になると、株や生命保険、公社債、ファンド型投資信託といった金融商品に関するものが目に付きます。ここでいう「株」とは、主に未公開株の勧誘に関する相談で、詐欺まがいのものが多いです。次に、詐欺とは言い難いけれども意外とトラブルになりやすいのが、生命保険やファンド型投資信託です。最近は、銀行の窓口でも生命保険や投資信託等を扱うようになりました。預貯金が低金利のため、銀行員が「普通預金に入れておくよりは利回りがよい」と、リスクの高い投資信託や一時払い終身保険などを勧誘するケースも増えています。高齢者の方は、「銀行なら安心」と信じる傾向がありますが、自宅に届けられた書類を見て、初めてリスクがあると知ったなど、商品内容を理解しきれないまま契約している場合も多いのが現状です。

 

国民生活センター 相談件数ランキング

 

 筆者は50代以上の方からも相談を受けますが、「老後の家計を試算した結果、無理に運用する必要がなかった」という方も大勢います。本当に運用が必要なのかを見極めて、必要な場合はきちんと理解できる商品を購入するようアドバイスをしています。トラブル予防のため、できれば、勧誘(説明)や契約の際に子どもも同席できるといいのですが、子どもにお金の話を聞かれたくないと思う高齢者も多いようです。自宅にあるパンフレットや書類を見た際に、さりげなく様子を聞いてみたり、不審な点がないかどうか、チェックをしてみるのもよいでしょう。

 

相談できる場所を知っておこう

 もし、「元本保証ではないなど、リスクに関する説明が不十分」「判断能力が不十分なのに契約してしまった」「断ってもしつこく勧誘される」など、不適切な勧誘を受けた場合は、公的な相談場所を利用することをお勧めします。

●国民生活センター 消費者ホットライン 0570−064−370(全国統一番号)

●日本証券業協会 特定非営利活動法人 c(FINMAC) 0120-64-5005  

 

要介護者の金銭管理について

  認知症などで判断能力が衰えてくると、通帳の管理や公共料金の支払いなど、金銭管理が困難になってきます。そのような場合は、地域の社会福祉協議会が行っている「日常生活自立支援事業」を利用する方法があります。例えば、東京都社会福祉協議会の「福祉サービス利用援助事業」の場合、認知症の高齢者など、判断能力が十分でない方を対象に、利用者との契約のもと、日常的な金銭管理サービス、重要書類の預かり等の支援も行っています。

 

 専門家に管理をしてもらいたい、という方には、成年後見制度を利用する方法もあります。成年後見制度には、「法定後見制度」(既に認知症や知的障害、精神障害などで判断能力が衰えてしまっている場合)と、「任意後見制度」(将来、判断能力が衰えた場合に備える場合)があります(表2)。既に判断能力が衰えている場合には、その程度に応じて、本人の決定権の範囲が決められます。 要介護者に限らず、一人暮らしの高齢者、子どもがいない老夫婦などでも、元気なうちに任意後見制度を利用しようという方が増えています。地域のサービスとどちらがニーズに合っているか、まずは、地域の社会福祉協議会か地域包括支援センターに相談をしてみましょう。

 

成年後見制度の概要

 

 

元気なうちからお金の管理をシンプルに(まとめ)

 年配の方から家計相談を受けていると、「年を取るとお金の管理が面倒になってきて…」という話をよく聞きます。以前使っていた銀行口座も、解約に行くのが面倒で複数残っている、という方も多いようです。「使っていない銀行口座やクレジットカード類は解約する」「金融機関は、行きやすい場所で分散する」など、少しずつ整理すると管理がしやすくなります。なお、親の金融資産を整理・管理する人に他の兄弟がいる場合は、誤解を受けないよう、領収証や管理明細書などを保管し、オープンにしておくことをお勧めします。

 

 また、「家計管理を全て行っていた夫が突然他界し、残された家族が金融機関や保険契約を探し出して手続きを取るのに大変苦労した」という話もあります。親御さんの判断能力があるうちに、金融取引の一覧を一緒に作るなど、ぜひお金の管理方法を話し合ってみてください。とはいえ、突然話を切り出すのは勇気がいると思います。そんなときは、「同僚のお父様が突然亡くなって、大変だったそうだよ。それを聞いてちょっと不安になって…」などと切り出して、保管場所を教えてもらうことから始めてみてはいかがでしょうか。

 

【お勧めサイト】

公益社団法人 成年後見センター リーガルサポート

日本司法書士会連合会が運営。ホームページ上で、成年後見制度について分かりやすく解説しています。全国の相談窓口を検索することもできます。

 

 

 LFCでは、介護される側、介護する側の両方の視点で、ライフプランとマネープランを考えながら、介護を含めた安心したセカンドライフづくりのお手伝いと、その計画を実行するお手伝いをしています。

【参考:LFCのライフプラン総合診断

 

第10回:介護を防ぐ方法】   【第12回:まとめ〜賢く介護を乗り切るために(最終回)

 

※本コラムは、警視庁機関紙「自警」(平成24年12月号)に寄稿したものを一部加筆・修正したものです。

 

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