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介護で困らないために〜押さえておきたい介護のポイント(第9回)

介護をする人のライフプラン

介護で仕事を辞める人が増えている

 介護は、ある日突然訪れます。一昔前であれば、家族が介護を一手に担うことができたかもしれません。けれども今は、介護をする人自身(娘や息子)が独身で仕事をしていたり、結婚していても共働きだったり、遠方に住んでいたりして、介護をする時間が取れないという方も多くいます。家族の負担を軽くするため、2000年に公的介護保険制度が始まりましたが、今なお家族の負担は重く、介護のために退職や転職をする人が増えています(表1)。そのうちの8割以上が女性といわれていますが、男性の退職・転職人数も、増加傾向にあります。

 

介護・看護を理由に離職・転職した人数

 

 退職や転職をした人の年齢を性別に見てみると、男性は50代と60代で28.9%、女性は50代が41.6%と、どちらも50代の割合が最多となっています。けれども、40代以下の割合も、男女ともに30%を超えていることが分かりました(表2)。育児と異なり、介護には終りが見えません。介護と仕事の両立が難しく、職場に迷惑をかけるのではないかと、気兼ねをしてしまう方も多いようです。

 

介護・看護をりっゆうに離職・転職した人の年齢

 

仕事を辞めたらどうなる?

 一度退職してしまうと、どうなるでしょうか…。介護と両立させるために、パートやアルバイトに切り替えたら、収入は大きく下がるでしょう。親が存命の間は、親の年金や貯蓄で、介護費用や生活費を賄うことができるかもしれませんが、いつかは親が亡くなってしまいます。その後、残された介護者が、自分の人生を無事に暮らせる資金が賄えるかどうか、についてもしっかり考える必要があります。具体的にイメージする際は、(図表3)のようなライフプラン表を使うと便利です。

 

ライフプランと介護プラン

 

 ライフプラン表では、家族構成と家族のイベント(子どもの進学・卒業、住まいの計画、旅行、介護、定年退職など)を時系列に並べ、その年ごとに収入と支出、貯蓄残高の推移を見ていくことができます。例えば、「5年後は、子どもも独立して家計に少しゆとりができる。バリアフリーリフォームをして親と同居をしよう」「定年退職前に親の介護が発生したら、どれくらい費用と時間がかかるだろう?働き方を変えたら、家計は大丈夫だろうか?」など、いろいろなケースを想定して数字に置き換えることができます。介護に直面した時に備えるためにも、今からライフプランを作成してみることをお勧めします。

 

介護と仕事を両立させるために

 国による介護と仕事の両立支援策の1つとして、介護休業制度があります(図表4)。

 

介護休業制度(概要)

 

 介護休暇は、スポット的に取れる休暇で、要介護者の通院の付き添い等に使われます。一方、介護休業は、介護発生後、入退院や介護関係の手続き、家族との役割調整等、今後の介護体制を整えるためにも利用されています。どちらも有給ではありませんが、介護休業をした場合は、休業前の賃金の4割が雇用保険から支給される「介護休業給付金」があります。休業期間中の収入が減ってしまうのは辛いですが、その後働き続けることができる、というメリットは大きいと思います。このほか、要介護者の介護を行う職員が請求をした場合に、深夜勤務や所定の超過勤務をさせてはならないなど、勤務時間に関する制度もあります。会社や組織の規程などで、どのような介護支援制度があるのか、要件や手続き方法と合わせて確認をしてみましょう。

 

 

まとめ(介護で仕事を辞めないために)

 職場の方に「家族で要介護者がいる」ということをオープンにしておくと、出勤日のシフトや休暇の取得、勤務時間の調整などがスムーズに行われやすい、という話を聞きます。職場の中で、家族の介護をされている方がいらっしゃれば、お話を伺ってみるのもよいでしょう。また、職員向けに介護セミナーなどが開催されることもあるようですので、ぜひ参加なさってみてください。このほか、NPO法人などが運営する「介護経験者の話を聞く会」などに参加してみるのもよいでしょう。「自分が介護をやらなければ」という気持ちもあると思いますが、活用できる制度や方法があれば退職せずに済むかもしれません。経済的に安定することで、ご自身の人生とご家族の介護が、充実したものになりますように。

 

【お勧めサイト】

NPO法人介護者サポート・ネットワークセンター・アラジン

家族の介護を担う人を支援するNPO法人。介護者のための電話相談やサポーター養成講座、情報交換や講習会の機会を提供しています。

 

 

 LFCでは、介護される側、介護する側の両方の視点で、ライフプランとマネープランを考えながら、介護を含めた安心したセカンドライフづくりのお手伝いと、その計画を実行するお手伝いをしています。

【参考:LFCのライフプラン総合診断

 

第8回:介護にかかるお金の準備の仕方】   【第10回:介護を防ぐ方法

 

※本コラムは、警視庁機関紙「自警」(平成24年8月号)に寄稿したものを一部加筆・修正したものです。

 

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